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すいちろう

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ヤブ医者の育ち方

とにかく時間がない。
January 07

マンボウの卵は三億個

現在2年間である臨床研修制度が1年に短縮されるかもしれないらしい。理由は医師不足の解消のため、とのこと。
 
…なんのこっちゃわからない。なぜそういう意味のない政策を行うのか?
医学部の定員を増やすという方針も全く無意味。今から定員を増やすとして、大学に入った若者が一人前の医師として最前線で働けるのはこれから10年以上も先。それまでに医療の崩壊は進行するし、崩壊した医療の中では医師も育たないので、その待望の10年後にも医師不足には変わりがない。
 
若い医師を増やしても、いわゆる「医師不足」は改善しない。偉い人にはそこがわかっていないか、わからないふりをしている。
「医師不足」の原因は、2つある。
①中年でバリバリ働ける層が、開業して大病院を離れること
②昔と比べて女医さんが増えていること
 
開業医の就労時間は、勤務医より圧倒的に少ない。救急医療が崩壊している、と言われるが、開業医はそういう夜間や休日の救急医療には携わらない。
となると、全医師における開業医の割合が増えれば増えるほど、のべ医療労働力は低下する。また、若手医師の教育の主力は大病院の中堅クラスの勤務医であり、その層が薄くなれば薄くなるほど、次代の医師が「薄く」なる。まさしくジリ貧。
 
また、女医さんも然り。出産や育児といった仕事に時間をとられがちな女医さんは、男性と比べてどうしても生涯で労働に費やせる時間は少なくなる。
しかも女医さんは眼科や皮膚科など、比較的楽と思われる分野に進む傾向にあるため、不足している分野(=仕事がきつい分野)には行かないことが多い。
 
問題なのは医者の数、ではなく、就労時間や能力といった医者の質である。だから医学部の定員を増やそうとも結局日本全体としての「医療力」は向上しない。
本当に日本の医療力を向上させるためには、「開業医の診療報酬を下げ、勤務医を優遇するような制度にし、開業医の大病院への回帰を促す」「シフト制の勤務体制の普及や、育児支援に予算をつけ、女医さんでもキツい現場に出られるようにする」という2点であろう。
しかし、これは多分、実現しない。なぜなら、医師の意見団体は日本医師会であり、日本医師会は開業医のための組織であるため勤務医を優遇するような制度には猛烈に反対すると予想されるからである。さらに、日本医師会の偉いさんに女医さんの現実はわからない。
 
結局、そうした日本医師会の影響で、政治家もバカみたいに頭数だけ増やす方針しか打ち出せないのだ。もう、ダメだね。
December 07

生返事は怪我の元

田舎の基幹病院で働き始めて、2年近くになった。
時々、スーパーマーケットなどで患者さんや、その家族に出会う。
患者さん本人の顔と名前は大概覚えているが、家族となると顔を覚えていないこともしばしばで…。
 
「いやぁ!先生、ご無沙汰しています。昨年は主人がお世話になりました(ニコニコ)。」
 
「(ん?顔は見たこと有るけど、この人、誰の奥さんだったかな?とりあえず忘れたとも言えんので返事はしておこう。)はぁ、お久しぶりです。その後ご主人はお元気になさっておられますか?」
 
「え?先生、去年最期を看取ってくれはったやないですか。」
 
…肺癌でなくなった患者さんの奥さんでした。
November 23

偽装

85歳のおじいちゃん。ばい菌感染で死にかけていたが、治療奏効して元気になってきた。
元気になってきたら、ボケが出た(まぁ、専門用語でせん妄といいます)。
 
「あの自動ドアは、天然物ですか?国産ですか?」
 
…。おじいちゃん、自動ドアに産地偽装はないと思うよ。安心しておくれ。
November 06

変な時代。

ある日の救急外来。
 
30代の女性が頭痛と意識障害で救急搬送されてきた。当地に旅行中の人であり、家族の付き添いは無し。
頭部CTを撮影すると脳出血あり。すぐに手術が必要な状態。脳外科の当直の先生を呼び、さあ手術の段取り。
 
患者さんは意識は朦朧としているが多少はコミュニケーションはとれる状態であったので、自宅の連絡先を聞き出し、遠方に住む両親に手術の説明をしようと電話する。お父さんが電話に出た。
「あの~、○○県の△△病院のものですが、娘さんが脳出血で倒れられて救急車で運ばれてきています。今から緊急で手術が必要な状態なのですが、こちらまで取り急ぎ駆けつけていただくことは可能でしょうか?」
「え~と、そんなはずはないと思うんですけど(怒)」→電話切れる。
 
???なんでキレられているのか意味がわからない。もう一度電話しても、電話に出てもらえない。
??????
 
とりあえず、手術の準備は開始。患者さんはICUへ。
 
後日談だが、脳外科の先生が再度電話したところ、電話に出てもらえた。
話をしてみると、なんと、お父さん振り込め詐欺の電話だと勘違いしていたとのこと。
勘弁してくれ。
January 27

復活させてみる

さて、こっそりと、復活させてみようと思う今日この頃である。とりあえず、週刊くらいで。
そもそも職場が変わって引っ越してきてから自宅にネットが無く、引く気もなく、職場だけでネットしていることからブログなんて書かなくなって当然という状況ではある。
そしてなによりも、忙しすぎる。
忙しくなると、毎日の仕事のこと以外に体力も知力もさかなくなるので、これといって面白い話が書けないというのもある。
そして、日々携わる仕事のこととなると、個人情報であったりとか、あるいは話の内容に関係した病気の人が見ると不愉快に感じかねない、ということもあって書けないというのもある。
 
そんななかでブログを更新し続けるようなエネルギーのある同業者は、すごいと思う。
 
そもそもこの職種、一定の比率でモンスターのように体力が有り余っている人に出会う。精力が有り余っている人にも出会う。毎日飲んで仕事もして、よくもまあ生きていけるなという、満身これ肝の人にも出会う。
 
そんな人にはとてもなれないが、まぁ、何とか時間を上手く使って何か発信していこうと思った今日である。
June 26

2本の線が交わるところ。

アマゾンで、何気なく巨乳アイドルの写真集をクリックしてみたら、翌日「おすすめ」の一覧に「臨床・病理 乳癌取り扱い規約」が上げられていた。むむ、センスが良いなぁ。
February 03

1月17日記事の続編。

来たよ来たよ来ましたよ、総勢11人もの裁判官が。若いのからナイスミドルまで総勢11人もの裁判官が。黒のスーツでびしっと身を固めた総勢11人もの裁判官が。ずらりと並ぶ、白衣の集団と黒衣の集団。さながら人間オセロのカンファレンス。ついでに実習の学生さんまでおる。おおよおおよ、息苦しい。
 
教授はなんともご満悦。やたら笑顔で、黒服たちにMRIの解説をしている。ここが膀胱で、子宮がここで…。って、そんなこと言われても、多分わかってはらへんで、この人ら。
しかし、彼らは「わかんねぇよ」という顔も「つまんねぇよ」という顔もせず、さも興味があるかのように身を乗り出してMRI写真を見ているのだ。「気持ち悪いよ」という顔も「これくせーよ」という顔もせず、さも興味があるかのように身を乗り出してホルマリン漬けの摘出臓器も見ているのだ。誰かが発表をしているときは直立不動。一挙手一投足が文字通り品行方正。どうせ心の中は「あー、新福菜館のラーメンが食いたい」とかどうでも良いことばっかり考えているのだろうが、表面にはださない。
やっぱり、エリートなんだな。我々ごときとは、くぐってきた世界の理不尽さが違うんだろう。つまらないと思っても、そのようなそぶりは見せない。真の大人である。
 
しかしなぁ。病院見に来て、症例報告のカンファレンス見ててもなぁ。なんの収益もなかったのでは?私らがその品行方正さに感銘を受けたのと逆に、彼らには我々のだらしなさだけが印象に残っただけではないだろうか。同期の女医さんに「行け、行け、合コンに誘ってこい!」とけしかけてみたが、カキカキの品行方正さにブロックされて近寄ることもできなかった。むむ、連邦のモビルスーツは化け物か!
 
現場を見学したいのなら、スーツじゃなくて白衣を着せて、実習生のふりをしてうちらにくっついてきたら良かったのにね。まぁ、来たところが悪かったですな。
January 17

裁判官?!

再来週、我が白い巨塔に裁判官が視察に来るそうな。当今の医療訴訟華やかな時代を鑑み、医療現場を視察に来るのだと。ご満悦の教授は「こんな病院を見にきても参考にはならんだろう」との発言、お、意外にものが見えているのか、と思ったのもつかの間、次の言葉は「こことは違って世の中にはまったくちゃんとやっていない病院がたくさんある」だと。うん、ここもちゃんとできていないけどね。患者優先主義ではなくカンファ優先主義。なんか韻が踏めてる。
 
裁判官も裁判官で、権威主義でうちみたいな大病院に来るのじゃなくて、田舎の最前線の病院を見に行かなくて何の視察やら。この間脳出血の母体の搬送がたらい回しされて大騒ぎになった奈良の病院、産科を閉鎖するらしい。カツカツの状態で頑張ってきた挙句、残念な症例にあたってマスコミに叩かれ閉鎖。そういうところを見に行かずして、診療そっちのけでわけのわからんカンファやら教授回診をやっているのを見て、病院を知った気になってトンチンカンな判決を下されてもなぁ。せっかく忙しい時間を割いて見学に来るのなら、ちゃんとしたいけどちゃんとできないような中小の病院の事情を勉強してください。
 
世の中、門外漢が門の外を見てそれをしっかり理解するというのは難しい。マスコミの言うことで理解した気になっても、実はそれが嘘で塗り固められている、というのは、ある有名な外科系某医師が「医者がかかりたい日本の名医10傑」なんて週刊誌の特集に取り上げられてたりすることで私にも身にしみて良くわかる。その名医、ICUからオペ室へのキックバック率(すなわち手術がうまくいってなくて、直ちに再手術となること)が80%を超えたとして、今病院のトップから手術執刀禁止の命令をくらっとるらしい。投資金額の回収率が20%を切る競馬大好き研修医と、病棟に無事回収できる率が20%を切る有名外科医。さて、どっちが名人?少なくとも私は人畜無害。
 
本当に本当のことを理解したいのなら、真面目くさって見学に来るのではなく、その中の誰かを酒でも飲みに誘うのが良い。多分それが一番手っ取り早いはずだ。
January 03

ノロウイルス

最近、猛威をふるっているものと言えば、なんと言ってもノロウイルス。食中毒と感染のどっちの可能性もあるから不安をあおる。
 
病院にもよく問い合わせの電話がかかってくる。「子供が吐いているんですけど、ノロウイルスでしょうか?」「隣の家の人がノロウイルスだそうですが、私は大丈夫でしょうか」などなど。
 
…。
 
あのなぁ。心配な気持ちはわかる。わかるよ。正月だから近所の医者が休んでいるという事情も理解できる。でも、子供が吐いているのなら電話で済まそうとせずにあいている小児科を探して受診してくれ。電話で判断なんてでけへん。ましてや隣の家の人のことまでは皆目見当がつかん。病院は、慈善事業団体じゃないの。正直こういう電話は診療の邪魔。まあ、内心そう思っていても、言葉には出さないのだが。
 
そして、どうやら患者さんの話を聞いていると、開業医の中には不勉強な輩がいて無責任に嘔吐下痢の患者さんに「こりゃ、流行のノロですなぁ」とか言っていたりしてさらに患者さんたちの不安をあおっている。あのなぁ、ちゃんと検査キットを用いてウイルスを同定しないと確定診断はつかないの。嘔吐下痢する原因はノロ以外にも色々あるのに。ちなみに、「ノロですなぁ」といって、抗生剤を処方しているとんでもない大馬鹿者も。ウイルスと名の付くものに抗生剤は無効です。無効どころか腸内の善玉菌をも殺して、下痢悪化。何をしてるんだか。
 
電話相談も良いけど、いい加減、もう、ダイヤルQ2とかにして有料化したら良いのでは…。「有名病院の先生(現実はヤブ研修医だが)がこない言わはった」なんて言われたらたまらないから、電話を受ける私も少ない知識をフル動員してそれなりに労力を使って答えているのだ。ノロウイルスを「呪う居留守」と誤変換してくれた私のパソコンが、一番私の気持ちを代弁している気がするこの冬である。
 
 
 
おまけ。本当にノロの情報が欲しい人は以下のページへ。
厚生労働省:ノロウイルスに関するQ&A
December 18

最後の巨塔

うちの産婦人科は本当にすごい。
何がすごいかって、白い巨塔なのである。まじで。ドラマさながらに本当にアナウンスがかかって、ぞろぞろと白衣の人が付き従って教授回診が始まる。その間、看護婦も患者からの要望や家族からの問い合わせに対して「今は教授回診中ですから」と全て後回しにする。 病室から患者の家族は追い出され、回診が終わるまで外で待たされる。

すごい。もうね、見ていて面白い。開いた口がふさがらない。

そして、その患者がどんな人かなんてほとんど知りはしない教授が形だけおなかと胸を触って歩く。内診もする。それでけっこう患者さんも喜びありがたがっているから滑稽。多分な~んも考えんと触ってるだけやでこの人。これだけ無差別に女性のデリケートな部分を触って喜ばれる人は、日本にはこの教授の他には加藤鷹くらいしかおるまい。

それで、触ってるだけならまぁ人畜無害のオッサンだが、治癒の見込みの乏しい癌患者さんに対しても調子よく「治ります」とか言って歩くからタチが悪い。なんとか一時的に癌を縮小させているだけの患者さんも、教授が治癒するかのようなことを言うから「あの先生はゴッドハンドやね」と誤った希望を抱いてしまう。担当医の立場からすると迷惑きわまりない。
癌を扱う医師がもっともしてはならないことは、厳しい見込みについての情報を伏せて治療を行うことだと、私は思う。それで癌の進行に抑えが効かなくなった末期になって、初めて「治らない」ということを告げ、次には「ホスピスはどうですか?」などと無責任に治療を放棄する。ぎりぎりまで救いの神のような顔をして格好つけて、都合が悪くなったらよそへ放り出す。その方が、そりゃ、医者は楽だろうよ。でも、いきなり見込みがないことを知らされ、主治医から見放されるようなことを言われた患者の気持ちになったことがあるかい?

まあ、弁護するならば、婦人科癌は化学療法や放射線治療がよく効くことが多いから、その他のがんと違って手術以外でもそれなりに長い寿命が見込めて本当の末期近くまで攻撃的な治療をする価値があるという側面はあるんだけど…。

しかしなんだかこの科、診療システムも非合理的で、手術もどうも上手くない気がするし、看護スタッフのレベルも低いし、自分は絶対にここには入院したくないなぁ。

December 03

カクテル

今日の競馬の阪神ジュベナイルフィリーズは、ウォッカが優勝。父タニノギムレットに似た迫力の馬体と走法は伊達ではないというところか。
 
ギムレットの子供がウォッカ、って「逆やん」とか思っていたが、さらによく考えると、ギムレットはジンとライムを混ぜてシェークしたカクテルだからウォッカとは全く関係なし。むむ、なんだか、だまされた。
 
まあ、将来この牝系が発展すると、お酒がらみの馬名がつけられることになるんだろうな。となると、華麗なる一族とか、薔薇の一族とかのように名前がつくかも。
 
酔いどれの一族。
 
むむ、赤提灯。
November 12

トリンプ

少しずつではあるが、私の身の回りでも「環境に優しい生活を」という認識が広まってきているようで、うちの近くのスーパーマーケットでもレジ袋が有料化されることになった。カバンを常に持ち歩かなくてはならず不便であるが、まあ環境のためには仕方ない。でもカバン持ち忘れてたら、どないしようかなぁ…と考えていた矢先、やってくれました、トリンプ。
 
今までから「世相を反映する」と言いつつ、どうにもこうにもツッコミどころ満載のブラジャーを発売しつづけていたトリンプ。今回もやってくれたよトリンプ。その名もNo!レジ袋ブラ。なんでも、乳パッドの部分にレジ袋が格納されているらしく、Zガンダムも真っ青の変形機構で(トリンプHPより無断転載した下の写真を見よ!)で真っ赤なレジ袋に変化するらしい。えっと、でも、そのためにはブラをとる必要があるんですよね?うーん、胸のほうもカレーを吐き出した後のカレーパンマンに変身だ。
 
そして、この写真を見て、シルエット的にはサイコガンダムで、色的にはシャア専用か、とか考えていると、さらに次のネタが。「レッド!ブルー!グリーン!ピンク!イエロー!5色揃った“ブラレンジャー”が、レジ周りでエコ・ショッピングを楽しくサポート!」…、えっと、それは、5人そろってレジでノーブラになるということですか!?
 
…。
 
その勢いで、安全戦士コンドムと戦ってください。
October 20

manic manic manic

 
上戸彩も大好き、躁。爽快気分の躁。精神疾患は感染するというが、それは本当かもしれなくて、最近次から次へと立て続けに急性躁病の患者さんが入ってきて私のテンションが上がって上がって仕方ない。躁大好き。英語で言ったらmanic disorder。
 
ABBAでなくても歌いだす。マニマニマニ、must be funny
 
鬱病の人とか、「ああ、可哀想やなぁ」と思ってこっちもどんよりするが、どうも躁病の人が来るとそういう「病気の人」という感じがしなくなって、「この人はどうしてこんなに面白いんだろう」という思いが先に立つ。まあ、しっかりと鎮静薬は使わしていただいているのだが。
 
なんとなく、早く落ちついて良くなって欲しいような、欲しくないような、大好きです、躁病。
October 19

ドープインパクト

ディープインパクトから、禁止薬物のイプラトロピウム検出。日本ではOKの薬やけど、フランスではNGであったらしい。
 
馬でもアトロベントを使うのか、というちょっとした驚きはさておき、それくらい調べていけよ、というツッコミを入れたくなる。国によって禁止薬物が異なるのは珍しくなく、有名なものではアメリカで広く使われているラシックスは日本では禁止されている。
 
なんだか、勝つ気でいって、負けて、しかもこんな味噌が付いたら、しばらく日本の馬は凱旋門賞には行かんのやろうなぁ、と思うと、ますます寂しい限り。
October 15

ええのか生えて?

小口雅之というボクサーをご存知だろうか?去年の年末、亀田三兄弟を中心に盛り上がるボクシング界の個性派ファイターとして話題になったカツラボクサーである。そのカツラボクサーの頭に髪の毛が生えてきたらしい…!んでも、カツラがとれた後楽園ホールでのあの試合をみた発毛メーカーがスポンサー契約を結ぶとともに、発毛をサポートしたとのこと。
 
…。しかし、良いのか?ウリを失っても。
 
バントをしない川相。
松井を敬遠する遠山。
好位抜け出しを図るツインターボ。
気合いの入らない高見盛。
熱湯をかけられても熱がらない出川哲朗。
 
うむむ、でも、それぞれ、見てみたい、かも。
 
 
October 05

とりまみれ

精神科病棟付近に、ワゴン車でお弁当を売りに来る業者がある。病院の売店のお弁当と比べると少し安価だし、おいしいし、人気のお弁当屋さんである。昨日も、私はそこで「鳥南蛮弁当」を購入した。

すると、何か鳥南蛮に自信がないのか、「これだけやったらなんやし、唐揚げもつけときます」とのこと。喜んで、「ありがとうございます、お願いします」と頼んだのだが…、ついてきたのがなんと単なる唐揚げではなく「唐揚げ弁当」がまるまる一個。

????????

「いいんですか?」

「ええまあ、今日は」

????????

意味不明だが、鳥まみれの秋の日。天高く馬肥ゆる秋。

October 02

24人のビリーミリガン

精神科開始。さすがに外来通院では管理しきれず入院しておられる患者さんは、かなり症状が完成していて治療が難しい人が多い。
9人の患者さんがあたったのだが、ベッドにおられず病棟をうろうろと動き回っている患者さんがほとんどなので、顔を覚えるのが大変、覚えてもらうのも大変。一人一人見つけて自己紹介してまわるのだが、9人の中の一人は、あのビリーミリガンと同じ、解離性同一性障害の患者さん。10人以上の人格が同居しているので、20人近くの患者さん一人一人に自己紹介しなければならない。残り10人くらいにはまだ会えず。最近、微妙に人格が融合しつつある段階にあるようで、頑張れば患者さんの数が「減る」かも。
 
昨日はモチベーションが上がらないとも書いたが、これは、面白いかも。いやまあ、面白いと書くとちょっと問題だが。病歴の長い人がほとんどの精神科で、わずか1ヶ月で何ができるか、という疑問もあるが、少しでも勉強して取り組んでいきたい。
October 01

2度目の外科ローテが終わって…。

人の運命というのは、つくづく不思議なものだと思う。私は自分の進む先を免疫膠原病内科に決めたが、本当にこれは偶然に次ぐ偶然の産物である。
 
そもそも医学部に入ったのが、有馬記念でシルクジャスティスが勝ったからであり、研究をするつもりの私が臨床医をやっているのは「2年間の臨床研修の義務化」があったからであり、臨床医という仕事に興味を持ったのが去年の外科ローテの時であった。年末年始に免疫膠原病内科をローテーションしたのは、抽選の産物であって決して自ら希望してローテしたわけではなく、その期間やり甲斐のある仕事をやらせてもらったとはいえ、将来免疫膠原病内科に進むつもりは全く無かった。
 
しかし、小児科をローテしている間に、色々な疾患を突き詰めていくと結局は免疫系の異常に突き当たることが多く、元々免疫学に淡い興味を抱いていた私の中で将来の進路としての可能性が膨らみ始めた。
 
そんな中、昨年外科ローテをしたときから、進路の第一候補であった外科を再度ローテしたが、それが意外に面白くなかったため、9月最初に免疫膠原病内科に決めたのである。
 
ところが、9月に入って外科の中でチーム変えがあって指導医の先生が変わったとたん、再び外科が面白くなった。もし、先にこの先生が指導医であったら、私は外科医になっていただろう。
 
人間の運命って、こんなもんなんだろうなぁ。
 
膠原病とは、本来バイ菌などの異物が体内に入ってきたときそれを駆除する免疫の細胞が、何かの拍子に自分の身体を攻撃し始める病気である。まだ何がきっかけでそうなってしまうのかはわかっておらず、また、治療法もあまり無い。それだけにこれからの発達が期待される分野である。医師としての診療能力もさることながら、研究能力が求められる。
 
そういう意味では、もともとの研究者になるという将来像に最も近いのかもしれないが。
 
しかしこう、将来の進路を決めてしまうと、それに関係のない精神科や産婦人科のローテに力が入らない…。しかもうちの病院のこれらの研修医教育プログラムは極めていけてないので、益々やる気が無くなる。患者さんに迷惑をかけない程度に、秋休みといきますか。
September 10

時をかける少女

なんだか、1年目の研修医さんで、お公家さんのようなというか、明治時代のお嬢さんのようなというか、なんだか変な、ずれた感覚の人がいる。もともとうちの病院に就職が決まって、医師免許が出て働き始める直前の頃に私がチューターとなってオリエンテーションをした人なんだが、たいしたことでもないのに「お礼」と称して持ってきたお土産が虎屋の羊羹。
 
贈り物に虎屋。
 
すでにその感覚が、昭和である。
 
彼女は今内科にいるが、その彼女の患者さんに癌が発見され、手術のために外科に転科してきた。そうしたら、「よろしくお願いします」と、クッキーの詰め合わせを持ってきた。転科に際して菓子折りを持ってくる主治医というのもかなり異常だが、それに添えられていた手紙が、墨でしたためられた巻物。
 
巻物の手紙。
 
もはやその感覚は、江戸である。
 
そして、手術が無事終わって、安定してきた今日、お見舞いに訪れたらしい。今日は当直で病院にいるとか言うことでやってきたそうだが、なんと白衣ではなく私服で訪れたそうな。「主治医としてではなく、私人としてお見舞いに参りました」だと。
 
私人で参拝、靖国神社か。
 
この感覚だけは、戦後だな。
September 05

宇宙との交信

新学期となり、臨床実習の医学生がうちのチームにもやってきた。
 
なんか、ナニ考えているかわからない、いつもニヤァっと笑っている、気持ちの悪い男がやってきたのだが、この男、なんか、どっかで、見たことが、あるぞ。
 
…。
 
…。
 
…。
 
あ、彼、大学時代同じ学年にいた人だ!5年生まで一緒だったのに、いつの間にか3年も留年してたのね。
 
大学時代の講義と同じように、朝のカンファに遅刻してきて、ニヤっと笑いながら席につき、そして何も語らない。なんせ大学6年間で1学年100人の学生が、誰も彼としゃべったことが無いのである。あまりにしゃべったことが無いために、一時は「実は、彼はタイ人で日本語がわからないからコミュニケーションが取れないんじゃないか」という説まで出ていたほどの男である。
 
そのタイ人に、コミュニケーションを試みた。
 
「マァタイラィタオラィカ?」
 
嘘です。
 
「採血、してみる?」
 
「いやぁ、して良いんでしょうか?(にやり)」
 
しゃべったーーーーーーーーーー!
 
ついに私は同学年100人誰もがなし得なかった偉業を達成した。しかし喜んだのもつかの間、私が点滴を入れている間に、彼はいなくなってしまっていた。消えた…もしかしてタイ人というより宇宙人?
 
こんな人を採用する病院があるんだろうか…?
September 03

極道の詰めもの

「わし、むかし極道やっててん」
 
!!!
 
「組抜けするの大変やったわ」
 
そらそうでしょう。
 
「組抜けするときにな、ムスコに真珠みたいなもん入れてん」
 
尿道カテーテルを入れるときに感じたしこりはそれだったのですね。
 
「真珠っちゅうかな、自分で棒きれへし折って、とんがった部分から突き刺して入れてん」
 
!!!
 
「先生、これ、大丈夫やろか?」
 
…そんな症例報告は見たことがない。っていうか、小指を詰めるのではなく、アソコに異物を入れるのか、最近のヤクザは???
 
「癌にならんやろか?」
 
豊胸手術をした後の女性が血管炎症候群になるとかいう、ヒトアジュバント病なら聞いたことがあるが…。アソコの棒きれ…。
 
ちなみに、入れた後、使えたんでしょうか?
 
「使えるで」
 
降参。
September 02

手紙

あなたが旅に出た時、あるいは帰ってきたら引越しすると言った時、こうなるような予感が少ししていました。「この人は私のような小さい入れ物の中に居場所を見つけるような人ではない」、という気がしていました。
いや、本当のことを言うと、最初の最初に病院を抜け出して短い時間で一緒に食事に行った時から、そんな気がしていました。あなたは鳥のような人だと、感じていました。私は地面を歩くしかない、4つ足の動物、そうですね、兎のような人かも知れません。あの日「寒い寒い」と言いながらつないだその手が、いずれ翼に変わり兎のもとから飛び立つ日の来ることを予感していました。

実は、鳥が広い広い大陸でまた違う空へ飛び立つ決意をしたのと多分同じ頃、兎は小さな盆地の中で将来の進路を決めました。これはまだ誰にも言っていないのですが、膠原病内科にします。あなたは、笑いますか?

旅というものは、どこにいても何をしていてもできるものです。そしてまた、虚ろなものです。だから本当に大切なことは、旅を続けることではなくて、いつか帰るために旅をすることだと思います。あなたが帰る場所と帰る時を誤らないように、そして何よりも無事に旅を続けられるように、こっそりと祈っています。
 
今まで本当にありがとう。本当に本当にありがとう。さようなら。
August 27

子供の名前は読みがたい

私の友達、ユースケサンタマリアと草彅剛を足して2で割った感じの男、草彅ユースケ君(仮名)は、学生時代からつきあう女性に切れ目がない。さほどもてるわけではない彼なのに、なぜか次から次と彼女ができる。
 
そんな彼を見て、私はこんな予言をしていた。
 
「彼は、子供ができちゃうまで半年から1年に一人の割合で女性が変わり続ける、ちんちんロシアンルーレットなんじゃないか。そして、できちゃったらそれは娘で、娘溺愛のバカパパに変貌するのではないか。」
 
この度、前半の予言が見事にあたった。ロシアンルーレットはものの見事に発火したのである。
 
そして今彼は、研修そっちのけで子供の名前を考えるのに必死。きょうびの子供はみんな凝りに凝った名前が多いから、負けじとさぞかしやつも苦労するに違いない。よし、私のセンスをもって少し助けてやろう。世の中の親はほとんど漢字を知らないくせに、名前にだけは小難しい漢字をあててくるから、ここはあえてシンプルにひらがなとカタカナで勝負だ。
 
1:草彅ディープインパクト
今旬のディープインパクトにあやかり、空を飛ぶような子供が生まれるに違いない。
 
え?だめ?あ、子供の性別が女の子だとわかった?
 
うーん、女の子にディープインパクトはまずいかもしれない。っていうか、予言の後半部分も当たったんですね…。やれやれ競馬の予想は当たらないのにこういう予言だけは当たるわい。
 
2:草彅エビ
予定日10月なんやろ?
 
あ?これもだめ?成長する頃にはエビちゃんブームも終わってる?確かに。
 
そういう彼の第一候補は、「綾音(あやね)」ちゃんらしい。なんでも、奥さんが音の付く名前が良いといっているそうで。そうか、音が欲しいのならそう言ってくれたらいいのに。
 
3:草彅のだめカンタービレ
これからが旬の、次期月9ドラマだ。
 
ああ?だめ?
 
なんでこう、人間様はお名前にこれほどこだわるのかなぁ?その点、競走馬はすごいよ。エイシンサニーの息子の名前は、エイシンサニーオー。ウォーニングの娘の名前はウォーニングムスメ。
 
もう、草彅ユースケムスメじゃだめか?
August 26

これは何ハラ?

最近、病棟の看護婦さんが、ある患者さんがセクハラを働くから何とかしてくれ、と主治医に苦情を言ってきた。「なるほど、この患者さんは盲目だからこんな看護婦さんにもセクハラを働くのだな」という心の叫びはぐっと腹の中に抑えこみ、「そりゃアカンねぇ」と適当に流す。そもそもそういう苦情は、主治医に言うべきものか???

しかしこの、患者さんによるセクハラ、けっこう多いものであるが、大半の場合は看護婦さんあるいは女医さんたち、涙を飲んでいるのではないだろうか?様々なことで患者は病院を訴える時代だが、病院が患者を告発するなどと言うのはあまり耳にしない。セクハラのみならず、暴力をふるわれるなども時折聞く話で、医療従事者は「やられっぱなし」である。今回のように看護婦さんが主治医に苦情を言ってくる、というのも、まあ普段より自分でやりたくないことは何でも主治医に振ってくるという無責任なクセがついているから、というのもあるかもしれないが、実際問題として訴え出る相手が主治医しかいないからに他ならない。

一応、あまりに迷惑な患者は追い出してもいいことにはなっているはずだが、実際そんな強制退去などということも目にしたことはない。今回のように苦情を引き受けた主治医も、やんわりとたしなめるというのが限界だろう。そもそも男性と女性における「セクハラ」の認識には大きな差があって、苦情を受理した主治医も「そんなことくらいで…」などと思っていることも多いと思われる。かくゆう私も「美人ほど、何かにつけてセクハラセクハラと騒ぎ立てないもんだ」なんて思っていたりする。そんな男性が多いから、やっぱりセクハラがなくならないわけで、本当に悪質なセクハラに対しては、客観的な判断を下せる機関が必要ではないかなぁ、と思うのだ。

患者さんは弱者で、護られるべき存在だからある程度のことは目をつぶるべき、と私は思うのだが、だからといって何をしてもいいちゅうもんではない。まあ、世間的にはそういう考えはあんまり受け入れてもらえないのだろうが…。実際、「大口の取引先には何も言えない」なんてことも一般企業ではたくさんあるだろうし、同じようなもんといえば、同じようなもんではある。

July 30

Bダッシュでゴー。

最近の子供たちの心をとらえて放さないのは、どうやらニンテンドーDSらしい。入院中の子供は少し元気になってきたらみんなDS。外来を待っている間の子供もみんなDS。
 
先日、そんな外来待ちの子供の方から懐かしい音が。
 
ピローン。
 
♪パパッパパパパ、パッパッパ。
 
…これは、マリオだ!
 
思わずその日の帰りに電気屋さんでニュー・スーパーマリオブラザーズを購入。実家にDS本体があるというので、そのまま実家に帰り、プレイしてみたが…。これ、はまるとどうしようもない。指が痛くなろうが、肩がころうが、一度やめてもまた手を出してしまい、結局1日でほとんど半分過ぎくらいまでクリアーしてしまった。
 
普段子供には「あんまりやりすぎたらあかんでー」とかたしなめているのだが、自分はこのていたらくである。
 
まあ、そんなこんなで小児科研修も終わり。退院後の子供さんからかわいいラブレターをもらったりとか、なかなか、子供との付き合いも楽しい2ヶ月間であった。将来先生のお嫁さんになる、ですって。いや、はやまると極楽トンボの山本さんになっちゃうから…。わしは12年も待つのか。マリオはBダッシュでプレーしてもそっちはBダッシュ禁。